各チャンネル独立ハイパーリミッター搭載
従来のコンパクトミキサーにみられるリミッターと違い、本格的卓上ミキサーと同様に入力側リミッターを配置し、コンプレスによる音質の変化を最小限にとどめています。鋭く響く突発的な過大音量に瞬時に反応し音割れをほとんどゼロの状態に保つ特性を持っています。ハイパーリミッターにより、限りなく収録事故を回避することが可能です。各チャンネル独立ハイパーリミッターは、音像の定位を崩さないリアルな音源収録を可能にしています。
クイックアクティブ/ナチュラルリリース
ハイパーリミッターは、ある一定の音量を超えた部分をカットしてしまうのではなく、波の形そのものは残して、ひずみのない領域まで抑えるという性能をもっています。また、過大入力音を抑えたその後はナチュラルリリースにより音像を崩さないスムーズなリミッター解除を実現しており、特にインパクト音の混在する音源収録に威力を発揮します。
VU/PEAKの2way切換メーター搭載
一般的に幅広く使われ、ヒトの耳が感じる音量感がそのまま現れる「VUメーター」と、デジタルレコーダーに採用されていることが多い、音圧のピーク値を表示する「PEAKメーター」の両モードを操作パネルを前面の切替スイッチによる瞬時に切り替えることが可能で、同一音のPEAKとVUレベルを同時に確認することが可能です。これによりレコーダー特性を考慮したレベル調整が容易にできます。
バッテリーの残量表示
バッテリー切れによるトラブル防止のため、バッテリー残量をメーター上に3段階で表示すると同時に、おおよその駆動可能時間を知ることができます。
なぜVUメーターとPEAKメーターが必要か
VUメーターの指示値は0.3秒間の平均値となっており、-20dBから+3dBで表示されるアナログレコーダーに適しています。PEAKメーターの指示値は入力信号の瞬間最大値を表示し、最近のデジタルレコーダーなどに採用されているタイプで、約10msで素早く立ち上がり、約1.5sでゆっくり戻ります。-60dBから0dBで表示されており、低レベルの入力から大音量までを幅広く表示します。デジタルレコーダーは過大入力が入ると音が極端に歪んだり無音状態になったりするので、録音可能レベルである0dBを必ず超えないようにPEAKメーターで確認することが必要となってきます。
各チャンネルに独立してイコライザーを内蔵
音にフィルターを自在にかけることでヒトの聴覚に近づけた収録を可能としました。スピーディーな調整が可能となるよう2つのつまみ(音域のサーチつまみ/音量のレベルつまみ)によるシンプルな構成で、各チャンネルそれぞれに用意されています。音域のつまみはFRQ(周波数)つまみが受け持ち、低域250Hz~高域8kHzの間で自由に設定できます。FRQつまみで特定した音域はLEVEL(音量調整)つまみによって-12dB〜+12dBの間で設定でき、その音域の強調または抑え込みができます。(FS-302P/300を除く)
<EQ FRQ特性> <EQ LEVEL特性>
ローカットフィルター
街角での収録においては風、雑音等の低減ノイズが多く、これに対応するためローカットフィルターの可変帯域を広めました。かつ、フィルター特性を見直すことでインタビュー音声などが、ノイズに埋もれることなくこれまで以上に明瞭に捉えることを可能にしました。
暗闇での視認性を確保
暗闇での視認性を確保するためにボリュームLED、及びメーターパックライトを搭載しました。また、電力の消費を少しでも軽減させる場合を考慮し、前面にライトON/OFFスイッチを配置しました。
操作性のよいチャンネルフェーダー
入力のチャンネルフェーダーは、小型ながらフィット感があり適度な重さを加えてあるため微力な調整力を持っています。さらに、暗闇での視認性を考慮し、音量ポイントにLEDを装備しました。
幅広い入力レンジ
入力端子はキヤノン3ピンコネクタを採用。入力モードは「P-MIC」ファンタムマイク、「D-MIC」ダイナミックマイク、「LINE」ラインマイクの3モード切換方式で、よりスピーディーなセッティングを可能にしました。入力レベル設定モードは、マイク入力時-70dBmから-36dBm、LINE入力時は-30dBmから+4dBmまで対応。微妙なレンジ調整が可能です。ファンタムマイク電源はP-48及びAB-12の2種類に対応しており、各チャンネル毎の混在使用も可能です。
4ポジション構成のマスター出力レベル
マスター出力端子はキヤノン3ピンコネクタを採用し、+4/0/-20/-60dBmの4つのポジション構成からなる出力をLR独立設定できます。これにより様々な入力レベルを持ったレコーダーへの対応を可能にしています。さらに、オーディオバックアップ記録なども考慮してサブ出力としてRCA端子も装備しました。
ヘッドホンジャックを前面と側面に配置
φ6.3ヘッドホンジャックを前面パネルに、さらに側面パネルにはφ3.5ミニジャックを搭載しました。2台のヘッドホンによる同時モニタリングも可能です。
スライドバッテリーケースを採用
専用スライドバッテリーケースを採用したことにより、バッテリー交換を容易にしました。このバッテリーケースは単三型乾電池を8本収納することができ、ワンタッチでバッテリーケースの着脱を可能としました。また、フィールドミキサーシリーズ(FS-805を除く)でスライドバッテリーケースの共有が可能です。
低消費電力化に成功したことで、アルカリ単三乾電池8本使用時でFS-320Pでは約14時間以上の連続駆動を実現しました。